3月2日、鷺森別院において教区布教使研修会と併催するかたちで、僧侶・寺族研修会が開催され、教区内から僧侶・寺族約60人が参加した。
 今回の研修は、専如ご門主の『法統継承に際してのご消息』のお示しを体し、各寺院がさまざまな問題を抱える中、これからの時代を見据え、これまでにご縁のなかった方々へのご法義を伝えていくための新たな伝道方法について、龍谷大学の実践事例を通し共に学びを深めようと、講師として実践真宗学研究科の特任教授、事例紹介として学生2人を迎えた。
 はじめに、葛野洋明特任教授が、浄土真宗を元にして、より開かれた立場において高度な実践的研究力を身に付けた宗教的実践者を養成することが実践真宗学研究科の目的であること、実践とは信心獲得後の報恩行であること、実践事例を大きく分けると儀礼・法話・寺院活動などの「宗教的(直接的)実践」と、対人支援・地域貢献・臨床宗教師などの「社会的(間接的)実践」の二種があることなど、実践真宗学の取り組みについて話した。
 次に、具体的な実践事例として、実践真宗学研究科の井手大心さんが「葬儀等の儀礼」について、中川結幾さんが「第三者評価」について、自身の研究内容を発表。井手さんは、仏徳讃嘆の葬儀を通して、遺されたものの情念に寄り添えるような遺族との対話の必要性を提起し、中川さんは、寺院が有識者による第三者評価を受けることにより、聞信徒との新たな繋がりを構築できるのではと提起した。
 まとめの講義で葛野特任教授は、「聖典」と「宗制」を元に、各寺院の特性を活かしたバラエティーに富んだ活動を実践することにより、宗門として大きな力になり、そのためにまず、自分の寺院の特性を知ることが重要であると話した。
 参加者より「寺院で社会的活動(ヨガ教室)をしていても、それが報恩講などの法座へのお参りにはあまり繋がらない」と意見があり、葛野特任教授より「社会的活動を実践している多くの寺院でも同じような悩みをよく聞く。すぐにお寺参りに繋がることは難しいが、活動の根幹が仏法に向いているのであれば、長期的視点に立つと、必ず大きな仏縁となっていくので継続していくことが重要」との説明があるなど、今後の伝道活動の可能性を共に学ぶ研修となった。