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ビハーラ活動に関する初歩的なことがらを学ぶ

 教区寺族青年連盟では2月11日に本願寺日高別院(御坊市御坊100)にて「ビハーラ活動に関する初歩的なことがらを学ぶ」をテーマに研修会を開催し、教区内の寺族青年を中心に約⒛名が参加した。
 寺族青年連盟では年に数回程度研修会を行っている。研修内容は、なるべく教区内の他団体では実施していない分野を選ぶようにしている。また実施されていても寺族青年の今後の学びに活かせるようにごく初歩的な内容で開催されている。一昨年と昨年は二か年にわたり、自死に僧侶としてどう向き合うのかをテーマに特定非営利活動法人京都自死自殺相談センターから野呂靖氏(龍谷大学文学部仏教学科専任講師)と竹本了吾氏(同センター代表)を講師に招き研修を受けた。
 今年度は人間のいのちのゆくえをどうとらえていくか、老いや病を得ていくいのちに僧侶がどう関わっていくのかを考え、ビハーラ活動を一から学んでみようと研修テーマに選んだ。講師には本願寺が運営する特別養護老人ホーム・ビハーラ本願寺やあそかビハーラ病院で実際に勤務経験があり、また龍谷大学大学院実践真宗学研究科の設立にも携われた打本弘祐氏(龍谷大学文学部真宗学科専任講師・社会学博士)を招き講義を受けた。
 講義ではまず、ビハーラ活動とは何かについて狭義から最広義まで説明があった。仏教を基盤とした終末期医療をはじめとして、広くいのちを支え、いのちについて考える仏教者を主体とした社会活動であるとされた。次いで、特に医療の面においてどう宗教者が関わるか、医療現場での宗教者の役割について、新潟県の長岡西病院ビハーラ病棟の実例を交えつつ説明があった。欧米諸国では、病院等の医療施設においてある一定の病床数に対して宗教者の常駐が義務づけられており、チャプレンというキリスト教の宗教者が医師や看護師とともに患者の生活に寄り添い活躍している。日本においては、1999年にWHOの健康定義改正論議での、人間の健康について宗教的にもみたされているべきだという意見を受けようやく本格的に医療機関に導入が始まった。特にその後の東日本大震災以降医療に宗教者が関わることに関心が高まっている。
 浄土真宗本願寺派では1987(昭62)年より僧侶・門信徒ら仏教徒による仏教・医療・福祉のチームワークによる支援活動であるビハーラ活動がはじまった。現在、宗門では京都府城陽市において特別養護老人ホーム・ビハーラ本願寺と緩和ケア病棟を主体とするあそかビハーラ病院を運営している。
 講義に続いて参加者からは、新たに導入されることになった臨床宗教師制度についてのこと、施設利用者や患者とコミュニケーションを取る際に留意すべきこと、お寺を中心にビハーラ活動を進めていくことなどに質問がよせられた。
 浄土真宗においては実際に社会活動を行うにあたり、教義と実践の関係について様々な議論がある。その中で現代社会において需要が高まりつつあるビハーラ活動が僧侶にとって求められている非常に重要なテーマであることを学び、今後の寺族青年一人一人の教化活動に活かしていく研修となった。

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